科目名 | 現代社会学理論 |
担当者 | 渡戸 一郎 |
単位数 | 4単位 |
配当年次 | 4年 |
科目区分 | 選択必修 |
実地学期 | 通年 |
授業形態 | 講義 |
講義概要 | 現代社会学理論は、近代主義と産業主義への批判運動を通じて、1960年代後半以降、大きな転換を遂げるとともに、その後、ますます多様な方向への展開をみせている。もとより社会学理論は同時代の社会学的考察を基軸につねに構成され直されるものであるが、この転換の背後に進行する現代社会の質的・構造的変容とは何かを、今日の社会学理論の基本的な論題として整理し、「個人・集団・社会」の視点から、ひとつ一つ丁寧に考察していくことはきわめて重要な課題である。本講義ではこの作業に挑戦する。 まだ荒削りであるが、当面予定している論題をスケッチしておく。但し、講義の展開過程で大幅に変更される可能があることを予めお断りしておく。
1.「近代的個人」(主体としての個人)再考 社会の世俗化と人間の聖化(人間例外主義と普遍的人権)/業績原理とアイデンティ ティのゆらぎ/新たな帰属原理による差異化・差別化(性・年齢・エスニシティなど) /主意主義的行為理論の限界/「強い主体」と「弱い主体」/「生活世界」と「つな がり」の社会学へ:共同体主義を超えて 2.「豊かな社会」再考 進歩主義・産業主義の行きづまりと「危険社会」の到来/IT・BT革命/「情報化・ 消費化社会」の構造的矛盾/地球環境という絶対的制約条件の前景化と環境社会学の 提起/都市問題再考:受益圏と受苦圏のズレと重層化/問題のグローバル化とローカ ル化/自然と人間社会の呼応関係の再構築へ(水俣、愛知万博などを事例に) 3.「国民国家」再考 近代国民国家の形成/「民族」と「国民」の構築/編入あるいは外部化される周辺部 /「日本」あるいは「日本人」とは何か/グローバリゼーションの意味(時間と空間 の縮減/収斂と分化)/市民社会のグローバル化と国民国家の限界/市民権の再構築 4.人口問題再考 人口減少社会と人口増加社会/人口抑制策と少子化対策/国内移動と国際移動/人口 の都市化/「都市の時代」から「メガ・シティの時代」へ/グローバル・マイグレー ションの諸相/移民政策論/多文化主義社会の到来とその課題 5.人類社会のゆくえ 人類史の「グランド・サイクル」/経済・政治・文化のグローバリゼーション/グロ ーバルな競争の激化と協力・連合の必要性、及びその課題/「善い社会」再考 |
評価方法 | 前期・後期2回の試験による。その他、場合によってはレポートを課すこともありうる。 |
教科書・参考書等 | 講義の中で随時提示する。 |
その他(履修条件、履修上の注意事項) | |
|