科目名 | 地理学C(人文地理学) |
担当者 | 菊地 滋夫 |
単位数 | 4単位 |
配当年次 | 3年 |
科目区分 | 総合文化 2群 |
実地学期 | 通年 |
授業形態 | 講義 |
講義概要 | 国が異なれば国民性も異なる。日本人は中国人やアメリカ人やオーストラリア人とは異なる文化を持っている......。私たちはこんなふうに国家を単位に文化を考えがちではないだろうか。 しかし、現実には、文化は国家の枠組みにスッポリと収まってしまうほど単純なものではない。日本のなかにも、中国やアメリカやオーストラリアのなかにも多様な異文化が生成変化しつつ生きている。複数の国家にまたがって共通の文化やアイデンティティを保持している民族集団も存在する。 ドイツの地理学者にして民族学者(文化人類学者)でもあったラッツェル(1844〜1904)によって創始された人文地理学は、近代的な国家の枠組みを直視しつつも、それのみにとらわれることなく、多様な自然環境に適応しつつ多様な文化を育んできた人間の姿を多角的に研究する学問である。本講義では、人間と自然のかかわりについて考えることと、世界の文化の多様性を理解することを目的とする。
講義スケジュールとしては、だいたい次のように予定している。
第 1 回 イントロダクション 第 2 回 人文地理学の位置づけと目標 第3〜4回 人文地理学の歩み 第5〜12回 人間と自然環境(環境決定論、環境可能論、環境認知論、人間による環境改変の歴史、グローバル化する環境問題、人口増加と食糧問題、環境倫理学の問題提起など) 第13〜22回 多様な自然環境と人類(北米先住民チペワイアンの生態と神話、アフリカ乾燥サバンナの採集狩猟民サン、東部インドネシア・エンデ社会における焼畑農耕と世界観など) 第23〜24回 都市の生態系(代謝系としての都市、現代社会における課題など) 第 25 回 まとめと展望 |
評価方法 | 前期末は試験を行わないが、希望者には夏休み明けにレポートを提出してもらい、最大20点まで学年末定期試験の得点にプラスして評価する。提出されたレポートはコメントを添えて返却する。レポートを提出しない履修者は、学年末定期試験の得点のみで評価する。 |
教科書・参考書等 | 主要な参考文献を以下に挙げておく。その他の参考文献は講義のなかで適宜紹介する。
高橋伸夫・田林 明・小野寺淳・中川 正『文化地理学入門』1995年、東洋書林。 西川 治編著『人文地理学』(三訂版)1996年、放送大学教育振興会。 末尾至行・橋本征治編『人文地理――教養のための20章』(新訂版)1994年、大明堂 |
その他(履修条件、履修上の注意事項) | 疑問・質問・感想などは大歓迎なので、遠慮なくぶつけてきて欲しい。 |