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科目名生涯学習社会と図書館
担当者黒子 恒夫
単位数2単位
配当年次2年
科目区分図書館司書(甲群)
実地学期前期
授業形態講義
講義概要「21世紀を目指しての教育改革は、これまでの義務教育を中心とした学校教育体制を超えて、すべての人々が個々人の意志により学ぶ、またそれができる社会環境整備をはかることを国家の責務とする、生涯学習社会を作り上げることである」と言われるようになって久しい。その中で、図書館は生涯学習を進める上で、最も基本的、かつ重要な役割、機能をはたす施設として位置づけられ、評価されている。
 本科目では、まず、生涯学習社会そのものの本質を理解することから始める。「学ぶ」ということは、人として生きる自発的な営為であり、その内容、あり方は、多元多様であり、個人で、あるいは集団の相互理解・協力・共同で行われる。また、年齢的に限られた時期にだけ行われるものではない。乳幼児から老人にいたるまで、家庭において、学校において、地域社会、政治・経済産業社会において、さらに国際社会において行われる。
 民主主義を基調とする市民社会においては、社会が、「学ぶ」ことを人としての基本的な権利であることとして認め、その権利を行使出来得るための、個人では出来得ない社会環境を整備、充実する責務を負うものである。それは同時に、人々が「学ぶ」という行為を継続することで、真の民主主義市民社会が実現することにもなる。そうしたことが社会的な要請となって顕在化してきたのが昨今の状況である。そこで生涯教育関連の国の施策の動向はどのようであるか。これまで「学習の場」の任を負ってきた「社会教育」がどのような法制の中で、どのような機関施設で、どのような内容、方法、形態で、どのような担い手によって行われてきたかを考察する。
 その上で「学ぶ」ことの中核的な場といわれる図書館の存在意義、役割機能、その経営の理念と実際を述べる。とりわけ具体的に公立図書館の業務・サービス、図書館を設置する自治体の行財政との関わり、図書館の運営、管理(資料および施設)、人事(組織、館長・職員の責務、そのための資質、養成)、図書館整備・サービスの計画、他施設機関とのネットワーク形成等を、実務経験の例証をまじえながら、やや詳しく論述する。
 それにより、少なくとも、「生涯、学習を続ける」ための実践的な方法、知識を身につけてもらう。
評価方法数回にわたるレポート提出による評価。授業出席状況も考慮に入れる。
教科書・参考書等教科書:黒子恒夫 著 『図書館には本がある』 (日外アソシエーツ) 参考書:社会教育推進全国協議会 編        『社会教育・生涯学習ハンドブック』 (エイデル研究所)    :『図書館はいま 白書・日本の図書館』 (日本図書館協会編刊)
その他(履修条件、
履修上の注意事項)