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科目名 | 教育学基礎演習 |
担当者 | 鯨井 俊彦 |
単位数 | 2単位 |
配当年次 | 1年 |
科目区分 | 必修 |
実地学期 | 通年 |
授業形態 | 演習 |
講義概要 | 人は子ども,青年,成人の順で発達していく存在です。人はまた,時間,空間の中で色々な経験・体験を積んで自分を創りあげていく存在ともいえます。そこで,この演習では,人生の最初の時期,つまり「子ども」時代に注目して「子どもを理解する」というテーマで検討していきたい。このことは子どもの世界を読み解く作業になるでしょうし,それはまた子どもへのまなざしをもつことにもつながるだろうと思うからです。 今,「異星人」と化した少年少女をみるにつけ,大人は子どもをわからないといい、子どもとどう向きあっていったらいいのか,と戸惑いと困惑にかられる大人たち(教師)が多いといわれています。このことを解く鍵として大切と思われるのは,子ども理解(勿論,社会のことも含めてですが)こそが問題になるのではないでしょうか,ということです。たとえば,「なぜ,子どもはマンガ,テレビが好きか」これに対して普通は、誰でも子ども時代にはマンガやテレビを自分の経験を拡げるメディアの一つとして利用し、楽しんできたと答えるだろうと思います。しかし、現在のように子どもたちが「ただマンガやテレビから与えられたものだけを楽しむようになってきてしまった」といわれるとき、そこには、子ども理解にあたって「メディア・情報体験と子どもたちのリアリティー感覚」という難問をどうとらえ直していくかが問われなければならないでしょうし、また、このことの中には,学校文化と対抗文化の問題が検討される必要がでてくるでしょうし,更には,このことを含めて,広く社会史の視点から子ども文化を中心に検討していかなければ 解決できないということもでてくるだろうと思います。更に、「子どもたちは指示しないと何もしない」といわれて久しいですが,ここにはどういう問題がひそんでいるといえるでしょうか。そこには教育が目指したはずの「子どもたちの自主性、自発性が育っていない,育てられていない」という現象が見えてきます。 このようにみてくると,子ども理解といっても、ここでの子ども理解の範囲はかなり広く、何をもって子ども理解といえるのか、何がわかれば子どもを理解したといえるのかが混沌としてしまいますが、それでも上述したことを例として探求することのなかから,教育学への糸口をさがすことも可能になるだろうと思います。 以上のことと併せて,自分の子ども時代をふり返ってみて「子どもとは本来どういう存在か」を考え,そして,改めてこれからの自分の生き方を問う形で「人間とは何か」について考える時間にしていけたらと思います。その意味でこの一年間は,2年次以降の教育学専門課程への序論・入門のつもりで幅広く展開するつもりです。できるだけみなさんのやってみたいことをやれる演習の時間にしたいと考えています。 |
評価方法 | 出席点を重視します。レポートなども提出してもらいます。 |
教科書・参考書等 | テキスト等はその都度こちらで用意しますが,どうしても必要なものは各自で用意してもらう場合もあります。 |
その他(履修条件、 履修上の注意事項) | |
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