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科目名教育学基礎演習
担当者加藤 一佳
単位数2単位
配当年次1年
科目区分必修
実地学期通年
授業形態演習
講義概要<授業のねらい>
 これから教育学を専攻していく出発点にあたって、基礎的な知識や考え方を学ぶ。教育学を専攻しようとした動機や問題意識を原点にして広い視野を培うことを期待します。足元の、現実の、現代の教育に関することがらに自分の経験を照合して動機や問題意識をより広い視野で客観的に検証することから教育学の研究ははじまると思います。
 教育を個人の視点から見ると、成長の過程において、単に家庭や学校だけに限られることではなく、地域での生活、それらを構成している家族や教師による養育と啓発、自然的産業的環境、家風、校風や伝統、文化などの風土、また、経済的政治的な施策などの様々な要素によって教育が現象化されます。
 このような教育の経験を持つ自分の動機や問題意識を検証して客観的に明確化しょうとする作業を授業で展開していくもので、なるべく多くの基礎的資料を読み、討論を行い、レポートを作成するような授業にしていきたいと思います。
 <授業計画>
 はじめに、クラスのメンバーの名前と顔をお互いに早く知り合い勉強を共にするために懇親を図ることも必要です。
 次に、前期は自分の問題意識に基づいて、テーマ毎のグループ研究と問題提議としての発表を行い、それについて全員で討議し、研究に討議内容を加えてグループとしてのレポートをまとめ提出する。
発表メンバー以外にも積極的な発言を期待し、表現力にも注目する。
 前期の終わりに、後期の授業計画を発表する。
 後期は、前期における問題意識の明確化の作業をもとに、自分の受けてきた学校教育を歴史的な視点から考察する。現在の日本の教育は昭和22年に制定された学校教育法によるが、この戦後の教育は戦前の教育の反省に基づいた教育である。従って、戦前の教育について、知識として知ることももちろんであるが、心情的に追体験的に理解することが教育学を専攻するにはより豊かな学習土壌となると思われる。
 後期の授業は前段と後段に分けて、前段は、戦前の教育を受けた自分の祖父母あるいは相当の年輩者から当時の学校教育の内容や教師の様子、子供の生活や社会の出来事などについてインタビュウして記録し、自分の受けた学校教育などと比較して発表する。その場合、戦前の学校教育についての予備知識を持ってインタビュウすることが肝要である。
 後段は、戦前の昭和のはじめから終戦をはさんで30年くらいまでの期間での学校教育を題材にした小説や自叙伝、論文などを教材にして討論し、自分の受けてきた現在の教育を歴史的な視点で比較的系統的に理解できるようにしたい。さらに、「アメリカ教育使節団報告書」を読んで討論し、戦後日本の教育の原点を理解する。
評価方法調査作業や討論のまとめ作業、発表の積極性、レポートの内容などを総合して評価する。
  
教科書・参考書等現在入手可能な資料を選定して授業の中で推薦または指定する。
  
その他(履修条件、
履修上の注意事項)