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科目名教育課程論
担当者鯨井 俊彦
単位数4単位
配当年次3年
科目区分選択必修
実地学期通年
授業形態講義
講義概要教育課程という語はきわめて多義である。歴史的にみても学校が社会の中で果たす役割や機能の変化につれてその意味は変遷をみせており,現在の意味内容も実態もまた多様である。
 その一つが,教育課程とは「学校教育の目的を実現するために,文化的諸領域から選択した内容を,児童の心身の発達に応じて,授業時数との関連において組織・配列した学校の教育内容の全体計画であり,計画に基づく活動である」ととらえる考え方である。
 およそ教育が意図的,組織的で,継続的に行われているところでは,教育は「だれに」対して,「だれが」はたらきかけるのか,そしてそれは「なんの目的のために」,「なにを媒介としてどんな筋道で(内容計画)」,そして「どんな技術を駆使して」その目的を達成するのか,それを支える行政・制度はいかなるものかといった要素が含まれている。学校教育でも学校以外の教育でも,およそ意図的な教育作用にはこのような要素が含まれている。このうち,教育(内容)計画とその計画に基づく活動をさして「教育課程」と呼んだのである。
 これに対して,教育課程とは「学校及び教師によって計画され,指導されるところの生徒のあらゆる経験」であるという規定もある。
 また,「生活の場が,カリキュラムである」といった用い方もある。
 更に,1970年代になって用いられるようになった,ヒドゥン・カリキュラム(hidden
curriculum)という概念もある。
 このように教育課程という語はきわめて多義に用いられていることがわかるであろう。
 ここでは,教育課程の今日的意義を問い,主として幼稚園・小学校・中学校段階に限定して,まず,教育課程が公教育の歴史の中でどのように形成されてきたのか,そして,どのように解釈されているか,などを中心に教育課程の成立史やその基礎理論を問題にする。次に,日本では教育課程の基準として学習指導要領が定められているが,その成立史,性格,特徴などを明らかにし,併せて,教育課程の国際比較にもふれたい。
 1.子どもの発達と教育課程(カリキュラム)
 2.教育課程の基礎理論
 3.近代教育課程論の形成と展開(教育課程研究の遺産に学ぶ)
 4.わが国の教育課程の変遷(戦前・戦後の教育課程)
 5.世界各国の最近の教育課程動向
 6.教育課程の経営と評価
評価方法原則として出席点や2回の期末試験等の総合点で評価する。
  
教科書・参考書等テキストは特に指定しない。授業は配付資料(コピー)を中心にすすめ,参考書などはその都度,指示します。
  
その他(履修条件、
履修上の注意事項)