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科目名 | 教育学演習T |
担当者 | 甲斐 規雄 |
単位数 | 2単位 |
配当年次 | 3年 |
科目区分 | 必修 |
実地学期 | 通年 |
授業形態 | 演習 |
講義概要 | 「感性と理性が調和した教育-家庭、学校、地域社会の有機的連携の絆となるもの-」 今の子どもたちが、大人になったとき子どもの時のことを懐かしく思うことがあるだろうか? この「思う」ということは、知識として人に話して聴かせることではなく、心でしみじみと繰り返し繰り返し味わうことである。 聞き覚えのある音、夢中になった音楽、祖父母の声、柱時計の音、電車の音、小川のせせらぎ・・・ 見覚えのある通学路の風景、仲良しだった友人の笑い顔、先生の怖い顔、遠足の風景・・・ ランドセルの肩の感触、毎日座った教室の椅子の感覚、頭を撫でられた先生の手の大きさ・・・ 「ただいま!」と玄関を開けたときの肉じゃがの臭い、母の香り、仏壇の線香の香り、街の臭い・・・ かんだ柿の渋かった味、みそ汁に入っていたニガウリ、母の作ったドーナツの砂糖の甘さ・・・ この聴覚、視覚、触覚、嗅覚そして味覚。繰り返し繰り返し味わいながら、懐かしく思うその根底には、この五感が総動員されている。 今の子どもたちが、大人になったとき子どもの時のことを懐かしく思う時、この五感が総動員されているだろうか? しかし、この五感だけでは人間性の完成には到達し得ない。そこでは、感性に左右されず思慮深く行動し、真偽・善悪を識別する能力が要請されている。「心」を核にして、家庭、学校そして地域社会の中で聴覚、視覚、触覚、嗅覚そして味覚の五感を整理してみたい。その一つひとつの思い出の中に、もしかすると家庭、学校、地域社会の有機的連携の絆となるものが発見できるかもしれない。そして、今後の望ましい教育改革の原理が見いだせるかもしれない。 心の教育が喧伝される今日、2年次の教育学研究Vで学んだ、 Schiller,F.の感性と理性とが調和し、内的に統一した美的態度、美しき魂 schone Seeleをもつ人格の完成に到達する事ができるかもしれない。そして教育実践に悪戦苦闘した Pestalozzi,J.H.そして Frobel,F.の子どもたちへの思いが見えてくるかもしれない。 |
評価方法 | グループ活動になるから、折に触れ経過報告会を開催し、興味を持った人は個人でレポート作 成、俎上に載せてもらう。 意欲、積極性、協調性、指導力、責任感など広範囲の評価をしたい。もしかすると評価が無意味になるかもしれない。 |
教科書・参考書等 | 教科書:堀内敬三・井上武士編『日本唱歌集』岩波文庫 与田準一編『日本童謡集』岩波文庫 参考書:読売新聞文化部『唱歌・童謡ものがたり』岩波書店 1999 甲斐規雄『教育経営要説 資料付』酒井書店・育英堂 1999(我が国の教育の現状を 打開するための文部省の1996年からの一連の中央教育審議会諸答申の概要、教育 改革プログラム掲載・「教育経営」履修者教科書) 資 料:小学校音楽教科書ほか
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その他(履修条件、 履修上の注意事項) | |
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