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科目名 | 教育学研究V |
担当者 | 甲斐 規雄 |
単位数 | 4単位 |
配当年次 | 2年 |
科目区分 | 必修 |
実地学期 | 通年 |
授業形態 | 講義 |
講義概要 | ヨーロッパ近代教育思想〜近代ドイツの教育思想を中心に〜 具体的テーマ:「近代ドイツの教育思想と日本の教育」 我が国の学校教育は、戦後自由と平等という近代教育の理念でスタートした。しかし現実は、その理念によって却って子どもたちを競争と差別、果ては共食いという状況にまで追い込んでしまった。そして、その対応策として規制緩和、自由化、個性化という教育改革を押し進め、更なる近代化のために教育基本法改正が議論されている。本当に改正が必要なのだろうか。 そこで、政治論争ではなく、西洋教育思想史の中で人文主義、啓蒙主義そして新人文主義を抜き出し、ヨーロッパの中でのドイツ教育思想の特質を整理して、ドイツのヒューマニズム教育思想の根源を探り、その思想が直接間接どのように日本に受容されたのか、調べてみたい。 そして、どう議論してみても、ドイツ的リベラリスト安倍能成、天野貞祐、大内兵衛、志賀直哉、田中耕太郎、谷川徹三、武者小路実篤、務台理作、和辻哲郎が議論し、まとめた教育の基本法のあり方に優る結果がまとめられるとは思えないことを証明してみたい。 その為に、どう考えても過去の知識なくては理解できないので、ヨーロッパとは何か、近代にはどういう思想が生まれ、人々に影響を与えたのか、整理しておきたい。その上で、特に近代ドイツの教育思想についてGesner,J.M.(D.1691-1761)、 Ernesti,J.A.(1707-1781)、 Winckelmann,J.J.(1717-1768)、 Lessing,G.E.(1729-1781)、 Schiller,F.(1759-1805)、 Herder,J.G.von.(1744-1803) Goethe,J.W.von (1749-1832)、 Humboldt,W.von.(1767-1835)そしてPestalozzi,J.H.(1746-1827)、Frobel,F.(1782-1852)の思想の中核にある「普遍」 das Allgemeine について考えてみたい。 その上で、戦後新人文主義の教育思想の人格教育学(Personlichkeitspadagogik)が、教育基本法にその「人格の完成」が前文、各条文にどのように具現されたか考えたい。そして、教育基本法の普遍、真のヒューマニズムの嫡男、大江健三郎文学の何がノーベル文学賞授与に繋がったのか考えてみたい。 |
評価方法 | 前期・後期の筆記試験に、出席点、毎時間の小テストの結果を加味する。 |
教科書・参考書等 | 教科書:明星大学教育学研究紀要第15号(4月1日の学科別ガイダンスで配布) 林健太郎ほか編『世界史年表・地図』吉川弘文館 1998 増田四郎『ヨーロッパとは何か』岩波新書 1988 参考書:阿部謹也『物語ドイツの歴史』中公新書 1998 タキトゥス『ゲルマニア』(泉井久之助訳)岩波文庫 1976 H.ハイネ『ドイツ古典哲学の本質』岩波文庫 潮木守一『ドイツの大学』講談社学術文庫 1992 野田宣雄『ドイツ教養市民層の歴史』講談社学術文庫 1997 資 料 :毎時間授業時資料配布 |
その他(履修条件、 履修上の注意事項) | |
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