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科目名社会哲学
担当者日高安比古
単位数4単位
配当年次3年
科目区分総合文化 2群
実地学期通年
授業形態講義
講義概要「社会哲学」の語は、さまざまな意味あいで用いられるが、ここでは大きく2つの分野に関して考えていく。@社会観または社会像としての社会の把握をめざす社会哲学。人間は、昔から、自らのおかれている社会を意識し、理解しようと努めてきた。そこからさまざまな社会観をもち、社会像をつくりあげてきた。それらの主要なものについて、社会思想や宗教的社会観なども視野に入れながら概観していく。A社会科学の科学基礎編としての社会哲学。社会科学が科学として成り立つには、その基礎としての科学哲学において、社会についての何らかの見解を含むことになる。社会についての科学の中に、どのような社会哲学が認められるのか、その主要なもののいくつかについて、検討していく。
ヨーロッパにおける古代・中世以来の社会観・社会像をめぐる社会哲学は、歴史においてさまざまな影響を与え、そのいくつかにおいては、影響を現代にまで及ぼしている。古代ギリシアおよび中世キリスト教の社会哲学・近代市民社会の思想家たちの想像した社会像などを概観する。国家論、歴史主義と自然法思想、社会契約説、社会主義思想等についてみていく。
近代において、社会哲学は、一方で社会をより正確に把握しようと試みる社会諸科学を成立させ、従来の社会観・社会像は乗り越えられると見なされもした。しかし社会哲学は、別の姿をとって現れてくることにもなった。社会科学の科学基礎編としての方法論などをめぐって、哲学的検討がなされることになったが、ここに、社会哲学の新たな展開が生じる。実証主義や批判的合理主義、批判理論や現代科学文明論のように、科学のあり方を通しての社会観が示されることになり、科学の成果をも取り入れた社会哲学が重要な役割を果たすようになる。近・現代の社会科学、特に社会学の基本的視点とその成果を参照しつつ、考察をすすめていく。
評価方法試験およびレポート提出。講義時間内に短いレポートを提出してもらうことが、数回ある。
教科書・参考書等教科書は用いない。参考書はそのつど指示する。
   
その他(履修条件、
履修上の注意事項)
講義であるので、まず出席し、話を聴いて理解するよう努めること。積極的にとりくまないと意味のない時間となる。多くの参考書を紹介するので読みこなしていって欲しい。