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科目名社会学特論C(都市)
担当者渡戸 一郎
単位数4単位
配当年次2年
科目区分選択必修
実地学期通年
授業形態講義 97年度以前に入学した学生は3年次開講選択必修科目(「社会学各論3.都市」)
講義概要都市社会学の基本課題は「都市的なるもの」、すなわち都市固有の社会現象の探求にある。1920年代に成立したシカゴ学派の都市社会学は、都市を独立変数としてその内部社会(都市コミュニティ)の変動を内在的にとらえる研究方法を確立し、以後、多くの批判にさらされてきたものの、その学的伝統は今日も意義を失っているとはいえない。しかし
他方で、今日の都市社会の複雑な構造変動をシカゴ学派の人間生態学的パラダイムのみで解明することが不可能であることも確かである。われわれは、今日の都市コミュニティの変化を理解するためにも、一国レベルやグローバルレベルの変動要因を無視できなくなっているのである。
 本講義は以上のような問題認識を基調として、前半は都市社会学の基本的なアプローチについて検討していく。後半はそれを踏まえて、グローバル、ナショナル、ローカルの3つのレベルから、都市化過程、都市コミュニティ、大都市の構造転換と都市問題(とくに社会的周辺層の問題)、越境する人びと(移民)と都市エスニシティ、市民活動・運動と都市政策などを取り上げていく予定である。おおまかな目次は以下のとおり。

  1.都市への接近        2.シカゴ学派のアーバニズム論とその批判
  3.都市空間論         4.日本の都市社会学の展開
  5.近代日本の都市化過程    6.都市コミュニティ論
  7.現代大都市の構造変動    8.世界都市の形成と変動
  9.先進国大都市問題としての「社会的周辺層」
  10. 都市社会の多文化化と都市エスニシティ
  11. 都市ボランタリズムの今日的特質と可能性
評価方法前期試験・学年末試験による。
  
教科書・参考書等教科書:高橋勇悦・菊池美代志編 『今日の都市社会学(第三版)』 (学文社)
 参考書:藤田弘夫・吉原直樹編 『都市社会学』 (有斐閣)
     奥田道大編 『都市』(講座社会学4) (東京大学出版会)
     『都市と都市化の社会学』(岩波講座・現代社会学第18巻) (岩波書店)
     『21世紀の都市社会学』全5巻 (剄草書房)
     『都市社会学のフロンティア』全3巻 (日本評論社)
     C.フィッシャー(松本康・前田尚子訳) 『都市的体験』 (未来社)
  
その他(履修条件、
履修上の注意事項)
「社会学特論B(村落)」を併せて受講することが望ましい。