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科目名社会学特論B(村落)
担当者高島 秀樹
単位数4単位
配当年次2年
科目区分選択必修
実地学期通年
授業形態講義 97年度以前に入学した学生は3年次開講選択必修科目(「社会学各論2.村落」)
講義概要生かはり 死にかはりして 打つ田かな−村上鬼城

 この句に象徴されるように、かつての日本の農村地域社会はその「変わらざること」に最も基本的な特質があり、同時にそれが日本の農業問題・農村問題の基底に存在するものであった。しかし、第二次世界大戦後、特に1960年代以降のいわゆる高度経済成長の下で、日本全体の産業構造における農業の比重は著しく低下し、農家戸数、特に専業農家戸数、農業就業人口も著しく減少するなど、「変わらざる」と考えられたものも大きく変化することを示した。
 この講義は直接的には日本の農村地域社会の基礎構造とその変化を明らかにすることを目的とするが、それはより広く次のような意味を持つものと考える。その1は、都市をも含めた日本の地域社会の原形−基礎的な特質−が農村地域社会にあると考えられることから、村落の考察を通して日本の地域社会の特質を理解すること。その2は、1と共通する点があるが、一見きわめて近代的な様相を示す現代日本の社会ではあるが、その最も基底的な特質を明らかにしようとすると、そこにはかつての日本の農村地域社会に見られた伝統的な意識や社会関係、社会集団の特質が残存しているのではないかと考えられることから、村落を考察することを通じて現代日本社会の最も基底的な特質を明らかにすることである。その3は、第二次世界大戦後の村落の変動状況と今日的特質を明らかにすることを通じて、現代日本社会がこれまで辿ってきた変動の道筋と、その結果としての今日的状況、問題点を明らかにすることである。これらの点から考え、この講義は村落、特に日本の農村地域社会を直接の対象とするが、それにとどまらず、より広い日本社会の特質、日本人の社会的特質や日本人の形成する社会関係や社会集団の特質についても考えていく。
 具体的な講義の項目は下記のように予定している。
 T.農村地域社会への視点
 U.日本農村地域社会の基礎構造−「家」・家連合・「村」−
 V.戦後日本農村地域社会の変化−現代「村落」への道すじ−
 W.現代日本の地域社会
 1999年度より各講義室にAV機器が完備された。1999年度は年間講義計画を作成した後であったので1回しか実施できなかったが、2000年度は年間講義計画を修正し、ビデオを見てもらって考えてもらうことを、もっと数多く取り入れていきたいと計画している。
評価方法前期末、後期末の2回、定期試験期間中に試験を実施し、これを評価の基本とする。
 夏休みにレポート作成を課し、成績に加味する。
 出席は取らない予定。
  
教科書・参考書等教科書:高島秀樹 著 『日本の農村地域社会−原型・変動・現状−』
                         (明星大学出版部 1993年刊)
  
その他(履修条件、
履修上の注意事項)