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科目名 | 情報社会文化論B |
担当者 | 二村 健 |
単位数 | 4単位 |
配当年次 | 2年 |
科目区分 | 総合文化 2類 |
実地学期 | 通年 |
授業形態 | 講義 |
講義概要 | 現代情報社会を華々しく彩る昨今のインターネット状況だが、本講義では、年間を通してこのインターネットを中心に、情報(知識)の生産・収集・蓄積・流通・加工・提供・利用といった側面を講述する。 人類は、書物の中に知識を体系化することを長い間続けてきた。社会における知識生産が増大すれば、増え続ける図書が保存スペース上重大な問題を引き起こすことが予想されていた。この問題に対し救世主のように扱われたのがマイクロフィルムであった。 マンハッタン計画で著名なヴァネヴァー・ブッシュは、このマイクロフィルムの高速選別機をあれこれ考えるうちに、後の情報社会に大きな影響を与えることになる様々なアイディアにたどり着いた。彼の構想したのは、個人の知識情報ファイルとも言うべき Memex と呼ばれる装置である。この Memex は、テッド・ネルソンのハイパーテキスト、アラン・ケイのダイナブック、さらに、サイバネティクスと呼ばれる分野にも影響をもたらした。加えてインターネットである。インターネット上に学術情報などを集合し、仮想の図書館を作る計画が進んでいる。人類はサイバースペース上にまたゼロから図書館を作るつもりかも知れない。現代の電子図書館は部分的にしろ Memex を実現するものと考えられる。それゆえ、ヴァネヴァー・ブッシュは“電子図書館の父”と呼ばれている。 インターネット上には、学術情報などの有用な情報のほかにも、有害な情報も無責任な情報も無秩序に放たれている。現代情報社会は、この情報を人々がいかに利用できるかが試される社会である。本講義を通じて、インターネットや情報社会についてある種の見識を深めていっていただければ幸いである。おおよそ次の内容にそって進める。
1.データ・情報・知識 2.知識の社会的蓄積 3.マイクロフィルムの登場前後 4.コンピュータの登場 5.コンピュータを発展させた思想 6.ヴァネヴァー・ブッシュとマンハッタン計画 7.Memexが教えるもの 8.ハイパーテキスト 9.ダイナブック 10.サイバネティクス 11.インターネットの誕生 12.インターネットの発展 13.ネットワーク社会と学術情報 14.学術情報の生産と流通 15.インターネット上の電子図書館 16.電子図書館の思想 17.我が国の電子図書館構想 18.サイバースペースの著作権 19.インターネット上の情報の目録化(メタ・データ) 20.情報社会の未来 |
評価方法 | 平常点、出席、および、定期試験の総合評価 |
教科書・参考書等 | 教科書:ウィリアム・F・バーゾール著;根本彰[ほか]訳 『電子図書館の神話』 (勁草書房) |
その他(履修条件、 履修上の注意事項) | |
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