科目名 | 史学「東洋史A(外国史概論)」 |
担当者 | 金子 泰晴 |
単位数 | 4単位 |
配当年次 | 1年 |
科目区分 | 人文科学分野 |
実地学期 | 通年 |
授業形態 | 講義 |
講義概要 | この講義では、歴史の始まりから中国最後の王朝である清朝までの中国前近代史の流れを概観する。一口に中国史といっても、文明が始まってから7千年以上、王朝の歴史が始まってからでも2千年以上の歴史があるので、各時代の特徴的な出来事をピックアップしながら、全体の流れを把握していくことにする。またこの講義では、その中でも特に宋代に重点を置くことにする。宋代というと、日本では余り馴染みがないかもしれないが、欧陽脩・蘇軾(東坡)・王安石・朱熹(朱子)など中国を代表する文化人が活躍した時代である。そして彼らは単なる文化人ではなく、みな政治家としても一流の人物であったというところにこの時代の面白さがある。また宋代(10〜13世紀)は、中国史全体から見ても、それを二分する分水嶺に当たる時代である。例えば文治政治の展開と皇帝独裁制の確立、江南の開発と都市商業の発達、社会指導層の貴族から士大夫官僚への転換、朱子学の成立など後世に影響を与えた変化が起きており、ある意味では現代中国につながる政治制度・社会構造・文化・習俗などが形成された重要な時期と言うことができる。日本の東洋史学者内藤湖南は、この歴史的転換を「唐宋変革」と呼んだが、その学習を中心として中国史の特質の一端を紹介していきたい。なお、その際余力があれば、政治史的な視点だけでなく、人々の生活や都市の形態などについて社会史的な視点からも考察したいと思う。 |
評価方法 | 出席状況を中心として、試験結果を加味する予定。 |
教科書・参考書等 | 授業中に適宜紹介する。さしあたり、『中国』上下(地域からの世界史、朝日新聞社)、 及び『中国史』(新版世界各国史、山川出版社)が参考になるだろう。 |
その他(履修条件、 履修上の注意事項) | はじめに、中国史を学ぶ上で必要な基礎知識について講義する予定である。 |