科目名 | 人文科学論T・U「人文科学論A」 |
担当者 | 菊地滋夫(前期)人文科学論T 小林一岳(後期)人文科学論U |
単位数 | 各2単位 |
配当年次 | 1年 |
科目区分 | 人文科学分野 |
実地学期 | 前期・後期 |
授業形態 | 講義 |
講義概要 | 人文科学とは、辞書的には「人類の文化についての学問」と規定することができる。従って人文科学論とは、人類文化の諸相について考える分野となる。しかし、人類の文化活動は多岐に渡り、すべてを総括的に述べることは困難である。そこで本講義では、「文化の中の英雄」という切り口を設定し、英雄と社会・文化との関わりを文化人類学及び歴史の両面から考えて見ることにしたい。
(前期) 「〈英雄〉の文化人類学」 立派なことをしただけでは、英雄になれない。英雄とは、ある人を……それが実在の人物であれ、神話的な存在であれ……英雄だと見なす人たちがあってはじめて成り立つ。その意味で、英雄とは社会的に生み出されるなにものかにほかならない。では、社会は英雄に何を求めるのだろうか? それに、そもそも、なぜ社会は英雄を必要とするのだろうか?こんなことを考えていくと、世界は以前とはまるで違ったふうに見えてくる。この講義は、〈英雄〉の社会的・文化的仕組みについて文化人類学的にとらえることを通して、世界を別の角度から見る力を培うことを目標とする。
(後期) 「歴史の中の英雄」 「英雄」は歴史の変革期に生まれ、民衆をリ−ドしながら社会を大きく変えた人物であると、一般的には考えられているだろう。確かに、「英雄」にはそのような側面があるのは否定できない。しかし、逆に考えるならば、社会が自らの変革のために、その象徴としての「英雄」を必要としたものとも考えられる。この講義では、日本史に現われる何人かの「英雄」をとりあげ、民衆の希望を象徴する「英雄」とその実像という点から、「英雄」が民衆的心性によってどのように社会的に「創造」されていくのかをみることで、人間と社会・文化の関わりについて考察することにしたい。 |
評価方法 | 前・後期の定期試験によって評価を行う。 |
教科書・参考書等 | 参考文献等については、授業の中で紹介することにする。 |
その他(履修条件、 履修上の注意事項) | |
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